塾で上位クラスにいると、どうしても安心したくなります。確かに、上位クラスで勉強していることは大きな力です。算数の難しい問題に触れる機会も多いでしょうし、周りのレベルも高い。これは決して悪いことではありません。
ただ、サレジオ学院を志望する場合、そこで一度立ち止まって考えておきたいことがあります。サレジオの入試は4科で行われます。つまり、算数だけ、あるいは塾のクラスだけで合否を判断することはできません。
塾のクラスと入試の力は、同じではない
塾のクラス分けは、塾の中での成績を測るものです。もちろん目安にはなりますが、それがそのまま志望校への合格可能性を示しているわけではありません。
特に上位クラスでは、算数の難問演習に時間がかかることが多くなります。これは力を伸ばすうえで大切ですが、その一方で、国語、社会、理科の仕上がりが後回しになっていることもあります。
サレジオは4科入試ですから、どこか一教科が大きく崩れると、せっかく得意科目で取った点を失ってしまいます。ですから、家庭ではまず「今、4科のバランスがどうなっているか」を見ておく必要があります。
家庭で見るべきこと
難しい分析をする必要はありません。まずは最近の模試や塾のテスト答案を、親子で一緒に見てください。
国語であれば、本文の根拠を使って答えているか。記述が何となくの感想になっていないか。算数であれば、考え方は合っているのに計算や条件の読み違いで落としていないか。社会は語句だけでなく、地理や歴史のつながりを説明できるか。理科は知識を覚えているだけでなく、なぜそうなるのかを言葉にできるか。
こういうところを見ていくと、塾のクラスだけでは見えない穴が出てきます。
大事なのは、親が全部を教えようとしないことです。答案を見て、「ここはどう考えたの?」と聞いてみる。子どもが説明できれば、かなり理解できています。説明があいまいなら、そこが補強すべき部分です。
上位クラスにいる子ほど、穴を見落としやすい
上位クラスにいる子は、まわりからも「できる子」と見られます。本人もそう思っていることが多い。だからこそ、苦手なところが表に出にくい場合があります。
たとえば算数はよくできるのに、国語の記述で点が安定しない。社会の知識が断片的で、地図や年表と結びついていない。理科の計算問題はできるけれど、基本的な生物や地学の知識で取りこぼす。こういうことは珍しくありません。
サレジオを受けるなら、こうした小さな穴をそのままにしないことです。得意科目をさらに伸ばすことも大切ですが、4科の入試では、不得意科目を一定のところまで引き上げることが合格に直結します。
家庭で補うなら、まず絞る
あれもこれもやろうとすると、かえって続きません。家庭で補うなら、まず一つか二つに絞ることです。
国語の記述が弱いなら、週に一度、答案を一緒に見て、本文のどこを根拠にしたかを確認する。社会が弱いなら、語句の暗記だけでなく、地図や年表に戻して確認する。理科が弱いなら、問題を解いた後に「なぜそうなるか」を一言で説明させる。
このくらいの短い確認でも、続ければかなり違ってきます。大切なのは、量を増やすことではなく、点になりにくいところを見つけて直すことです。
外部の力を使う場合も、目的をはっきりさせる
家庭だけで補うのが難しい場合は、外部の力を使うのも一つの方法です。ただし、その場合も「何をお願いするのか」をはっきりさせておく必要があります。
学校別の問題に慣れたいのか。国語の記述を見てもらいたいのか。算数のミスの癖を直したいのか。社会・理科の知識を整理したいのか。目的がはっきりしていれば、WEBワークスや個別ワークスも使いやすくなります。
塾に通っているから大丈夫、上位クラスにいるから大丈夫、という見方だけでは、志望校対策としては少し足りません。塾の力は活かしながら、サレジオの4科入試に向けて、家庭で足りない部分を見ていく。その視点が大事です。
最後に言えば、塾のクラスは参考資料です。合否を決めるのは、入試当日に4科でどれだけ安定して点を取れるかです。まずは今週、子どもの答案を一緒に見てください。そこから、次に補うべきことが見えてきます。
