紅央祭から帰ったあと、「楽しかった」とは言うけれど、何が残ったのかはうまく話せない。そういう子は少なくありません。人も多く、いろいろな催しが続きますから、その日のうちに感想がまとまらなくても普通です。
少し時間がたってから、どの教室や発表で長く足を止めていたかを思い出すと、本人の関心が出てくることがあります。「自分もやってみたいと思った」「先輩が楽しそうだった」という程度でかまいません。保護者が印象に残った場面と違っていても、合わせる話ではないのです。
中央大学附属横浜の公式サイトでは、学校生活の案内に生徒会、部活動、委員会、紅央祭が並び、中・高・大一貫教育も学校の特徴として示されています。ただ、大学附属校という条件だけでは、中高六年間の毎日はなかなか浮かびません。紅央祭で気になった活動に中学生として加わってみたいのか、高校生になったら運営する側にも関心があるのか。そんなふうに考えると、六年間が少し具体的になります。
もちろん、一日の行事だけで校風や本人との相性は決められません。ある発表を楽しんだから、この学校に向いていると考えるのも早いでしょう。紅央祭の感想は学校全体の評価ではなく、本人が学校生活のどこに心を動かされたかを知る材料です。
塾では、偏差値や大学への進み方から志望校を決め、過去問を始めてから、本人がなぜその学校を受けるのか分からなくなることがあります。反対に、「入学したら、あれをやってみたい」という小さな実感が残っている子は、学校別の勉強にも自分なりの理由を持ちやすい。紅央祭だけで志望を決めるのではなく、本人が六年間を自分の生活として考え始めているか。その材料にするくらいでよいと思います。
