中央大学附属横浜の理科室には、生物室のクリーンベンチ、化学室のドラフトチャンバーがあります。設備の名前だけでも本格的ですが、それだけでこの学校の理科を見たことにはなりません。注目したいのは、実験をした後です。
学校は、理科で実験から考察までのレポートの書き方をていねいに指導すると説明しています。在校生のメッセージにも、中学一年生から実験の機会が多く、イメージしにくい現象を目で捉えられるとあります。装置に触れて終わるのではなく、見たものを自分の記録へ戻すところまでが授業なのです。
実験は動きがあり、結果も目に見えますから、それだけで分かった気になりやすい。しかし、何が起きたのかを記録し、その結果から何を考えたのかを書くとなると、ごまかしがききません。予想と違った結果も、なかったことにはできない。そこから考え直すことになります。
中央大学附属横浜は、物事の関係を見抜き、確かな根拠から自分の考えを示す力を重んじています。理科のレポートは、その考え方を毎日の授業で形にするものなのでしょう。観察した事実と自分の考えを分け、それでも両方を一枚の紙の上でつなぐ。これは知識を覚えるだけでは身につきません。
理科室を見ると、つい装置の新しさや数に目が向きます。けれども、この学校が用意しているのは、実験ができる場所だけではない。目の前の現象を根拠にして、考えたところまで書き切る時間です。
