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都心の一等地にある新進気鋭の男女共学の進学校。

加藤: 金子先生、本日はよろしくお願いします。

金子: こちらこそよろしくお願いします。

加藤: では色々とお伺いします。最近は色々なメディアで広尾学園を取り上げるケースが増えていますね。先日も某雑誌で金子先生がインタビューを受けられていましたが(笑)

金子: 大学入試や大学入試改革への対応などでインタビューを受けることが多いですね。

加藤: それはやはり広尾学園が、ここ最近、難易度が急上昇していることに関係していると思います。逆に学校としては難易度の急上昇にどう対応しているのでしょうか。

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金子: やはり難易度が上がるのは広尾学園の教育方針を理解されている方が増えている結果だと思いますので有難いことです。特に若い教員達は張り切っていますね。

加藤: 広尾学園の教育といえば、非常にシステマチックな印象を受けるのですが。たとえば朝の小テスト、授業後の再テスト、また厳しい教員研修など。

金子: 実は広尾学園の教育は常に変化しています。女子校から共学化した当初は、上位校に追いつけ追い越せというのを目標に教育システムを構築していました。しかしある程度それに目途が付いたころで、若い教員達からこのままで良いのかという声が挙がってきました。そこで医進・サイエンスコースが出来たころからシステムを少しずつ変更し、小テストは朝だけにしました。

加藤: 再テストはどうしているのでしょうか。

金子: 翌日の朝に行っています。

加藤: さて、医進・サイエンスコースの話が出たところでお伺いします。やはり広尾学園の特徴は本科、医進、インターの3つのコース分けだと思います。やはり人気は医進ですか?

金子: そうですね、各塾の偏差値表などを見ると、医進、インターがやや高めになっていますが、どのコースが特に人気というわけではないですね。

加藤: 午後入試という日程的なものもありますしね。実際に学校内では、言葉は悪いですがコース間格差みたいなものはあるのでしょうか。

金子: ほとんどないです。高校進級時にコースを変える生徒もかなりいます。実際、学年で理系のトップは本科生ということもあります(笑)

加藤: なるほど。医進・サイエンスコースの生徒はやはり医学部、薬学部を目指す、またインターでは海外大学を目指すケースが多いのでしょうか。

金子: 必ずしもそういうわけではありません。医進・サイエンスでは研究活動がありますので、この大学のこの先生のもとで研究を続けたいという生徒も多いです。インターもその学年によって海外志向が強かったり国内志向が強かったりします。やはり広尾学園で学習していくうちに、将来の方向性については相当深く考えるようになります。

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加藤: やはり小6生の段階で、自分の将来の進路を確定させるのは難しいかもしれませんね。ちなみに広尾学園はまだ高校募集を行っていますが、そちらでもコースの入れ替えはあるのでしょうか。

金子: はい、高校募集組でも入れ替えはあり得ます。

加藤: さて、続きまして今年の中学入試状況をお伺いします。今年の入試から当日発表を止められたようですが、その影響はあったのでしょうか。例えば今までだと1日午前・午後の両方を受験していたような生徒が午前だけの受験にするとか。

金子: そうですね、影響は若干あったと思いますが、結果的に受験生の数は昨年とほぼ同様でした。4~5人減ったくらいです。

加藤: 広尾学園の競合校はどのあたりになっていましたか。1日、2日午後はやはり男女御三家でしょうか。

金子: やはり合格後の辞退者などは御三家さんへ進学される方が多いみたいです。併願で最も多いのは渋谷教育学園渋谷さんですね。

加藤: 公立中高一貫校はどうでしたか。

金子: 小石川さんには若干抜かれることがあります。その他の学校はあまり名前が挙がりませんね。

加藤: 公立中高一貫校はどうでしたか来年の入試に関しては日程や入試傾向はどうなるのでしょうか。受験生のレベルが上がってくると合格最低点も上がってくるのではないでしょうか。。

金子: 今のところ大きく変える予定はありません。ただ、合格最低点は上がってきたと実感しています。

加藤: 続きまして生徒の通学範囲についてお伺います。どのエリアから通学されている生徒が多いのでしょうか。

金子: やはり東横線、東急田園都市線のエリアが多いです。地域で言うと、世田谷区、大田区、横浜市などです。

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加藤: 広尾駅だと東京メトロ日比谷線なので、東京の北千住などの城東エリアや埼玉県からも通学しやすいと思うのですが。

金子: そうですね、東京メトロの駅なので、双方から乗り入れは便利だと思います。

加藤: 今度は今年の大学進学実績についてお伺いします。ずばりどうでしたか。

金子: もちろん難易度の高い伝統校と比べるとまだまだですが、年々実績は上がっています。東大に関しては3年前に初めて合格者を出し、昨年は6名合格しましたが、今年は1名に減ってしまいました。ただ、私どもの今の方針はやみくもに大学進学実績を上げることを第一に考えているのではなく、社会に出て役に立てる人材、グローバルな人材の育成を中心に考えています。その結果、今年の海外大学合格者数が80名ほどになりました。

加藤: 80名!それは凄いですね。合格者は基本的に海外大学に進学されるのでしょうか。

金子: ほとんどそうなります。世界ランキングで東大、京大より格上の海外大学への合格者が増えてきました。英語ゼロでインターに入学した生徒が6年後そういった大学に進学したのには驚きました。

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加藤: ちなみに個人的な興味でお伺いしますが、海外大学に進学された生徒は、卒業後はどうされているのでしょうか。

金子: まだ海外大学卒業生の人数は多くないのですが、今のところ日本に戻ってきている生徒が多いですね。

加藤: そういった生徒は就職をどうされているのですか。一般の新卒の時期と合わないと思うのですが。

金子: 海外展開を重視する国内企業や外資系を目指す方が多いです。

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加藤: 海外大学の話が出ましたのでお伺いします。広尾学園ではキャリア教育が盛んだと思います。HPを拝見させていただいたところ、外部講師を招いて講演をしてもらっているようですね。講師の顔ぶれを見ますと、元グーグルとか元アップルという肩書の講師が多いように思われます。やはりこれはインターの生徒を意識してのことですか? 

金子: 広尾学園では春と秋の年2回、外部講師をお招きして講演会をしています。基本、全生徒参加ですので、インターだけを意識しているわけではありません。以前ですとこのような講演会は日本の大会社のトップをお招きするのが一般的だったと思うのですが、今はもうそのような時代ではありません。まだ一般的には知名度が低い会社ですが、これから伸びていくような面白い会社の方もお招きしています。

加藤: 他にも色々なキャリアデザインに関する学習行事も行われていますね。司法裁判考講座や、サイエンス講座ではロボットプログラム、つくばサイエンスツアー、DNA鑑定講座など。やはりこれは例えばサイエンス講座だったら医進の生徒が参加されるのでしょうか。

金子: いいえ、興味がある生徒なら誰でも参加できます。

加藤: ちなみにどの講座が人気ですか?

金子: 宇宙天文合宿やプログラミングでアプリなどを作るテックキャンプが人気です。

加藤: いままでのお話を伺っていると、勉強ばっかりの学校というイメージとは違いますね。学校行事などはどのようなものがありますか。けやき祭(文化祭)などがありますよね。

金子: 学校行事は他にも音楽祭やスポーツフェスティバル、修学旅行などがあります。また八ヶ岳山麓には広尾学園の宿泊施設「富士見スコレー」があり、そこもよく活用しています。つい先日は新1年生を連れて行きました。

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加藤: 学校行事の話が出ましたので、クラブ活動についてもお伺いします。人気のクラブは何でしょうか。

金子: 男子は野球、サッカーなどです。女子はチアリーディングが人気ですね。あとは時代なのでしょうか、ダンス部が人気です。

加藤: 野球は強いのですか?

金子: いやいやまだ出来たばかりで(笑)

加藤: クラブ活動は施設内で行われるのでしょうか。

金子: 一部のクラブ活動は学外施設をお借りすることもありますが、基本的には学内で行っています。
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 加藤: 失礼なことをお伺いするのですが、都心の学校ということもあり、敷地面積はどうしても狭くなってしまうと思います。それでうまくクラブ活動が回るのでしょうか?

金子: それは教員たちが工夫してやっていますね。意外とうまく回していますよ(笑)

加藤: さて、校舎の話をお伺いします。私は正門から入って来たのですが、いきなりお洒落なカフェレストランが眼に飛び込んできました。他の設備もとても近代的ですよね。この校舎は何年前に完成したのですか。

金子: 2011 年です。サイエンスラボなどもそのときに出来ました。

加藤: やはり都心の一等地にこの施設は魅力ですよね。逆にそれを嫌がる生徒もいると思うのですが。

金子: まあ敷地の広い学校を望まれる方は仕方ないですし、あとは広尾学園の教育を理解していただくしかないですね。

加藤: さて12月の国際生入試についてお伺いします。昨年から帰国子女の条件に該当する受験生は、インターだけでなく、本科や医進も受験出来るようになりましたが、実際に英語試験の難易度はどれくらいなのでしょうか。

金子: 一応2級以上と謳っておりますが、2級での合格率はあまり高くないので、やはり出来れば準1級以上の力があったほうが有利だと思います。

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加藤: 国際入試を受験する帰国生ではやはり皆さんインターを狙っているのでしょうか。

金子: もちろんインターが多いですが、あえて本科や医進を目指す生徒もいます。

加藤: ちなみにインターの英語を他のコースの生徒も受けられる取り出し授業があると聞きましたが。

金子: 本科や医進の生徒の中でも、取り出し授業に対応出来そうな生徒は希望があればそちらに参加してもらっています。実際、中1から英語を始めた生徒でも、そちらに移った生徒もいます。

加藤: 本当ですか。

金子: もちろん簡単に移ることは無理ですが(笑)。ただ、教員が「この生徒は大丈夫」と判断すればお勧めはします。

加藤: なるほど、やはり生徒の将来性をしっかり考えている学校ですね。

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加藤: 最後に広尾学園のアピールポイントを簡単におはなししてください。

金子:
 日本の学校教育の枠組みを超えて行こうという学校であることが、社会的に評価されてきたのだと思います。ただ先進的というだけでなく、生徒の未来を優先したい学校であることをご理解頂けたら幸いです。

加藤: それでは先生、今日は貴重な時間を割いていただいてありがとうございました。

金子: こちらこそありがとうございました。

この後、金子先生に校内を案内していただきました。9階建ての校舎は近代的で、とても洗練されていました。サイエンスラボも立派でしたし、その他の設備も素晴らしかったです。ちょうど理科室で行われている授業を眼にしたのですが、教師は外国人教師で生徒が4人(おそらく高3生)でした。金子先生お伺いしたら、この授業はインターの選択授業の理科で、進学先に合わせた少人数のクラスだそうです。 また、敷地が狭いと上記しましたが、実際にはさほど狭さを感じさせませんでした。体育館も広くきれいで、その上がグランドになっている造りでした。工夫されていますね。

ちなみに1回のエレベーターホールには「祝100周年」と書かれた胡蝶蘭が飾ってありました。今年は広尾学園の前身である女子校の創立からちょうど100年目にあたります。新しさと伝統を併せ持った学校なのだなと改めて思いました。
ぜひ、実際に学校見学をされて志望校選択の参考にしてみてください。

(2018年4月24日取材) 

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